2021年7月9日、ソニーのフラグシップ「Xperia 1 III」が販売開始された。
聞けば聞くほどに魅かれる、その圧倒的な性能。
写真家であれ、映像制作者であれ、音楽を愛するものであれ、ゲーマーであれ、誰もが驚愕し満足を覚えるであろうこの端末。
一方で、そのあまりの高額さゆえに手が出ないというユーザーも多いのではないかと思う。
この記事では、ソニー「Xperia 1 III」を手に取った人々の評価をまとめつつ、この魅力あるハイエンドの良さと、問題点、購入するならばどのキャリアから購入すべきかを考えていきたいと思う。
Xperia 1 IIIはソフトバンクで買え?!~スペックがやばい~
xperia1Ⅲの驚愕のスペックはこちら。
サイズ(幅×高さ×厚さ) | 約71mm×約165mm×約8.2mm |
重量 | 約188g |
CPU | Qualcomm®Snapdragon™888 5G Mobile Platform |
RAM/ROM ※外部 | 12GB/256GB ※microSD/microSDHC/microSDXC(最大1TB) |
ディスプレイ | 約6.5インチ/有機EL シネマワイド™ディスプレイ/4K/HDR対応/120Hz駆動 |
カメラ | メイン 16mm(超広角):有効画素数約1220万画素/F値2.2 24mm(広角):有効画素数約1220万画素/F値1.7 70mm・105mm(望遠):有効画素数約1220万画素/F値2.3・2.8 フロント 有効画素数約800万画素/F値2.0 |
防水/防塵 | 防水(IPX5/IPX8)、防塵(IP6X) |
生体認証 | 指紋 |
バッテリー容量 | 4500mAh |
その他 | USB Type-C おサイフケータイ 〇 3.5mmオーディオジャック 〇 ワイヤレス充電 〇 |
一言でいってみれば、「完璧」
しかし、このスペック表だけでは読み取れない様々な機能にこそ、Xperia 1 IIIの真価がある。
以下、順を追って説明する。
Xperia 1 IIIはソフトバンクで買え?!~カメラ性能がやばい~
デジタルカメラの方面でも、名機をバンバン投入してくるソニー。
Xperia 1 IIIでも、その技術は存分に生かされている。
まずは、「超広角(16mm)、広角(24mm)、望遠(70mm、105mm)4つの焦点距離を備えたレンズユニット」
どのような状況であれ、被写体を正しくとらえることができる。
特筆すべきは、世界初の可変式望遠レンズ。
レンズを増やすのではなくて、本体内でレンズをスライドして70mmと105mmを切り替えている。
一眼レフの望遠レンズ並みに、自在に被写体を追いかけることができる。
そして、カメラに付属された様々な機能。
最たるものが、「瞳AF」
搭載されるのは今回が初めてではないが、「Photography Pro」アプリを起動すると、被写体の瞳にオートフォーカス、ロックする。たとえ、子供や動物が素早く動き回ったとしても、「リアルタイムトラッキング」が被写体の瞳を追従して離さない。
一眼カメラのほうで「瞳AF」を試したことがあるのだが、すごく不思議な経験だった。ファインダー内で、AFが被写体にピタリとくっついて離れないのだ。そういう機能だから当然なのだが、古参の一眼レフ使いとしては衝撃としか言いようがなかった。
カメラマンが集中せねばならないのは、チャンスを逃さずシャッターを切ることだけ。一眼レフ同様シャッターボタン半押しでAFが利くので、スマホではなくて感覚的には一眼レフで撮影しているのとさして変わりない体験となるだろう。
静止画だけでなく、動画撮影でもやってくれる。
「Cinematography Pro」というシネマ撮影専用機能で、ビデオカメラさながらの撮影が楽しめる。
4K HDRでの10bit記録、色合いや明るさの調整、撮影フレームレートは24fpsにも対応しており、4K 120fpsのスローモーション撮影も可能。
一方で、低照度の動画があまり良い印象がないとの意見もある。このアプリ自体がISO800が下限らしく晴れた日の屋外ではやや辛いものがある。
あと、800万画素しかないフロントカメラが少し物足りない印象もある。
ハイエンドとして概ね合格点をとれているが、ハイエンドと名乗るからには価格に見合った完璧さが求められる。全てのユーザーから「良し」をもらうには、ほんの少し物足りなさも感じられる様子。
Xperia 1 IIIはソフトバンクで買え?!~ディスプレイがやばい~
約6.5インチの4Kディスプレイ。
リフレッシュレートを60Hzから120Hzまで設定可能。ゲームなどをする際には、120Hzのぬるぬる画面で楽しめる。ただし、バッテリーの消耗は激しくなる。
有機EL、4K HDR、しかも21:9のシネマワイドディスプレイなので、視野がとても広い。分割表示しても見にくくない。4Kの高解像度なので、一つの画面のサイズを小さめにしたとしても文字が読める。
ゲームの際も視認性が大変良い。「ゲームエンハンサー」機能を使い、暗いシーンも明るく設定できる。FPSをやる際などは後述するイコイライザーの設定と加えて、こちらの端末がチート並みに有利。なお、邪魔な通知をOFFすることも可能。
ただし、屋外で使うのはやや厳しい。特に晴れの日などはディスプレイが判別できないという欠点がある。
Xperia 1 IIIはソフトバンクで買え?!~スピーカーがやばい~
Xperia 1 Ⅲでは、スピーカーが両方とも全面を向いている。立体感あり、低音も迫力がある。音質は、ソニー・ミュージックエンタテイメントやソニー・ピクチャーズエンタテイメントが後ろで支えているらしい。Dolby Atomsのイコライザーを調整することで、コンテンツに合わせて音を調整できる。
21:9のディスプレイでも少し書いたことだが、とにかくFPSをやる際には「ゲームエンサー」機能がチート並みに使い勝手が良い。敵の足音の音域を調整することで、ニュータイプ並みに敵の接近を察知できる。
なお、この端末では、近年では珍しい3.5mmのオーディオジャックがぽっかり穴をあけている。有線による遅延のない音の伝達も魅力的。
Xperia 1 IIIはソフトバンクで買え?!~なんか色々やばい~
ハイエンドをハイエンドたらしめるのは、「基本的なものが当然のように全て揃っている」というところ。
細かい点まで、様々な機能が搭載されている。
信頼の防水(IPX5/IPX8)、防塵(IP6X)。
USB Type-C対応。中国スマホで欠点になりやすいおサイフケータイにももちろん対応。ワイヤレス充電も当然可能。
他、「スマートコネクティビティ」により、ユーザーの無線環境の予測。自動で4G/5G、Wi-Fiを切り替えることができる。
写真、動画、ゲームなどの様々な活動を支えるため、外部ストレージが最大1TBにまで対応しているところも見事。
Xperia 1 IIIはソフトバンクで買え?!~この点がマイナス!!~
全てが完璧などというものは、ただの理想でしかない。
あちらを立たせばこちらが立たず。
Xperia 1 Ⅲにももちろん評価が分かれる点がある。
まずは、先ほども何度か述べた「天気の良い屋外でのディスプレイの視認性と撮影」について。
天気が良い屋外では、ディスプレイを見るのも難しいとのこと。
これは現時点で最大のネックの1つにならないか。
どれだけ高性能なカメラも使い勝手が悪ければ何の役にも立たない。常に明るさを気にしながら撮影し、撮った写真を確認するために手をかざすなり日陰に入らなければならない。シャッターチャンスを逃さないための「瞳AF」の威光もやや曇ってしまうところだ。
後は、snapdragon888。
発熱がひどいというのは、かつて記事にもしたが、
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参考CPU(スマホ)の温度と冷ますための8つの対策(snapdragon888爆熱問題)
続きを見る
こちらも33℃の屋外で30分使用したら(撮影)、温度の警告が表示されたらしい。
発売1週間ほどたって、価格.comのレビューが「爆熱!」って感じだった。
ただし、これはドコモの場合「my daizを無効化することで抑えられる」という意見もあった。
また、ハイエンドの場合はバッテリーの消耗も激しい傾向にある。
特にリフレッシュレートを120Hzにしたところ、持続時間が11時間ほどという報告もあり、あまり素直に頷けない時間となっている。
そして、最大の問題は「コスパという観点」
この端末の料金が、これまたなかなかお高いのである…。
Xperia 1 IIIはソフトバンクで買え?!~最安値はどこ?~
まずは、キャリアごとのXperia1Ⅲの価格について。
ドコモ | 154,440円 |
au | 178,000円 |
ソフトバンク | 188,640円 |
さすがハイエンド。
最安のドコモでも15万円超だ。
なぜ、キャリアごとにこれほど価格に差が発生するのか?
まず、auに関しては「ハイエンドが売れないため、追加発注がされないので納入台数が厳しく設定されている」とのこと。
ソフトバンクにおいては、iPhoneやAQUOSユーザーが多いため、Xperiaの納入台数が少なくなってしまっている。
ドコモはXperiaユーザーが多いため、需要を反映して納入台数もそれなり多いため、価格を下げることができる。
では、ドコモで買えばよいのかというと、そういうわけでもないみたい。
キャリアはそれぞれ「お返しプログラム」を用意している。これを使うと、値段が大きく変わるのだ。
以下、「お返しプログラム」利用時の価格の変化
ドコモ | 24回払う(36回払い中)→返却 | 102,960円 |
au | 23回払う(24回払い中)→返却 | 98,440円 |
ソフトバンク | 24回払う(48回払い中)→返却 | 94,320円 |
ということで、これらのプラグラムを利用する前提ならば、ソフトバンクが一番安い。
スマホは2年ほどで乗り換えるのが一番ベストだと俺は考えているので(それ以降は技術的にも物理的にも劣化)、24回払いで返却というのは理にかなっている。
2年経って売るという選択肢もありだが、価格の下げ幅によってはあまりうまみがない。2年後に果たして「お返しプログラム」で得られる便益以上の価格で売れるかどうか、なかなか難しいところだ。
Xperia 1 IIIはソフトバンクで買え?!~参考になる動画~
Youtube動画で、スマホのカリスマ様たちがレビューを出していらっしゃる。
そちらも参考にさせていただいたので、こちらで貼らせてもらう。
Xperia 1 IIIはソフトバンクで買え?!~まとめ~
多少の問題点もあるが、Xperia 1 Ⅲの評価は悪くない。ハイエンドとしての存在感に見合った機能を持っている。
国内ハイエンド端末は、ここのところ元気がない。
総務省の割引規制、安価で高性能な中国スマホのインパクト、様々な要因で売れ行きが芳しくなく、キャリアも避けるからだ。
そのなかで、15万円を超える端末の投入。なかなか勇気のある選択だと言える。
しかし、国内メーカーとしては今退いたら終わりという危機感もあるのではないか。
業界のセオリーとして、ハイエンドでのインパクトをもってユーザーに自分の存在を知らしめたうえで、ミドルレンジやエントリー機のスマホを販売するというものがある。
なので、ハイエンドのスマホはどうしても発売しないといけない。
ユーザーとしては、お財布の中身や自分の所有欲と相談しながらベストだと思う端末を選択する必要がある。
よく言われていることだが、ハイエンドは「浪漫」だ。
Xperia 1 Ⅲはその「浪漫」に応えられるレベルの性能は兼ねそなえているといってよい。
ということで、今回は以上だ。最後まで読んでくれてありがとう!