「プラチナバンド渡さないと、楽天モバイル終わるよ」
ホリエモンの一言で、再び動き出したこのブログ。
正直、今や誰もが思っているこの一言。
「楽天って、大丈夫なの???」
そして、よりにもよってこの時期に発覚した元部長の不正行為。
300億円(実際の水増し請求は内100億円分)という金額は、今の楽天には決して軽くないはず。
この記事では楽天モバイルは今後本当に大丈夫なのか、について考えていきたい。
楽天の赤字額
楽天の赤字額はー。
2022年12月の通期決算で、売上高が1兆9279億円もありながら、営業利益は3639億円の赤字(最終赤字は4年連続。去年の赤字は1338億円)となった楽天。
この原因が楽天モバイル(4928億円の赤字)というのだから、「あーあ」って感じ。
楽天モバイルが、いかに楽天グループ全体の足を引っ張っていることか。
楽天モバイルの状況がいかに改善されてきているか熱く語る三木谷会長だが、昨今ではやはり収益性を意識してかこんなことを口にした。
「とにかく0円がいいとか、とにかく安いほうがいいというユーザーさんではなく、楽天のロイヤルカスタマーの皆さまを中心にして、健全な成長をしていく」――。
平たく言えば、それなりの金額を払えってことかな。
そのサービスに見合った金を払うのは、まあ当たり前ですが。
日本のスマホは…
高すぎる!!
そう言って、ぶっ飛んで安いサービスを提供し始めたのは、お前らやんけ、と。
ビッグインパクト → ユーザーかき集め → 改悪。
楽天好きだよね、この流れ。
楽天モバイルは、なぜ赤字なのか?
そもそも、楽天モバイルはなぜ赤字なのか。
まずは、通信エリア拡大のための基地局整備にかかる費用だ。
人口カバー率(楽天モバイルが使用できる範囲)を増やすために、後発の楽天モバイルは基地局をどんどん増やさないといけない。
それには莫大な費用がかかる。
その投資に見合った成果が得られるなら、それは避けては通れない不可欠なコスト。
12月の決算発表では、この必要不可欠なコストが段々と縮小していくだろうという見通しが発表された。
もっとも赤字になるというのは、決して支出の面からだけではない。
収入の面は果たしてどうなのか。
12月の決算報告では、モバイルの売り上げ収益は893億円(前年同期比62.5%増)
楽天は2022年7月1日をもってして、通信量が少ないユーザーへの無償サービスを打ち切った。
これによりARPU(ユーザー平均単価)増加。
さらに楽天エリア拡大によるauへのローミング費用の負担が減ったことが、利益改善に大きく貢献している。
また不安要素であったプラチナバンド獲得の問題が、いよいよ解決するという流れになっているのも心強い。
プラチナバンドという低周波数帯は、高層ビルが立ち並ぶ都会、入り組んだ部屋の中など障害物の多い場所でも電波が繋がりやすく、少ない基地局で広い範囲をカバーできるという特徴がある。
プラチナバンドを割り当てられていない楽天は、回線の安定性を欠く面があり、それがユーザーにとっても心地よいものではなかった。
それが昨今になって、ようやく楽天にプラチナバンドが割り当てられるような流れになってきた。
既存の3大キャリアにとってはやや納得のいかない話かもしれないが、楽天モバイルにプラチナバンドを譲るような決定を総務省が出したのだ。
電波オークションという選択肢も話題になったが、楽天の三木谷会長は「それではau、ドコモ、ソフトバンクなどの寡占が進むだけ」と反発、当時首相を務めていた菅さんに訴えた。
楽天モバイルには電波オークションで戦うお金がない。
総務省も、電波に関しては自分たちの威光を維持したいところがあるだろう。同時に、楽天を入れて4大キャリアとすることで、寡占状態の携帯通信事業に風穴をあけたいところもある。
最終的には総務省の鶴の一声で、近い将来(楽天モバイル矢澤俊介社長によれば、2023の年末から2024の年初には使いたいという具体的な日程の発表があった)楽天モバイルがある意味「本格的に稼働」することになった。
現状は設備投資で赤字の楽天だが、風向きは楽天有利な流れだ。
楽天モバイルの赤字は、今後どうなるか
楽天モバイルの赤字は、今後どうなるか。
三木谷会長は常に明るく振る舞い、楽天モバイルの前途が明るいことをアピールする。
設備投資も一服して、楽天のユーザー数が伸び、コスト減売上増につながれば、楽天モバイルを通じてEC市場など楽天全体に恩恵が及ぶことになる。
先述した通り、プラチナバンドも獲得し、晴れて楽天も加えて「4大キャリア」と相成れば、その先には黒字化という明るい未来が開けているに違いない。
しかし、多くの著名人はこれに疑問の声を投げかけている。
携帯通信事業市場が、もはや固定といってよいほどの成熟市場となっているからだ。
携帯通信事業の市場は、3大キャリア+楽天で90%ものシェアを占めており、内訳は以下の通り。
ドコモ42 au30 ソフトバンク26 楽天2
仮に楽天が楽天経済圏のユーザー全てを楽天モバイルへ引き込んでも、そのシェアは19%ほど。
そもそも、そんなことができようはずもない。
0円のサービスは終わってしまっているため、他のキャリアからユーザーを招き入れる誘因に欠けるからだ。
プラチナバンドを手に入れてスタートラインに立ったところで、楽天が3大キャリアを負かせるだけのウリがいまいちピンとこないところが問題の本質だ。
果して、楽天のユーザー数にはどれだけの伸びしろがあるのか。その辺りが今後の楽天モバイルの明暗を分けそうにも思える。
楽天が潰れる可能性は?
モバイルの不振に影響され、楽天本体が潰れる可能性はあるのだろうか。
現時点で、それはないと思う。
モバイルの赤字に引っ張られているだけで、それ以外の業務は順調なわけで、楽天グループ全体が倒れるというのは、「このままいってもかなり先」の話なのではないかと思う。
そのかなり先がどれぐらい先なのかは、わからない。
なんだか不安を煽るような言い方をするが、今の楽天の財務状況が自転車操業ほどではないにしろ、かなり無理している印象しかないのが原因だ。
現時点でのキャッシュが不足気味なせいか、かなり無理な利率でドル建ての社債を発行したり、虎の子の楽天証券の株式の2割をみずほに渡したりと、将来的に大丈夫かなとユーザーを不安にさせる動きをしている。
歪みは、必ずどこかで綻びに変わる。
モバイルだけではなく楽天経済圏(死語か?)の片隅に生きる俺としては、モバイルの赤字が他のところに悪影響を与えないことを切に願ってやまない(とりわけ、SPUにおける改悪はお願いだから勘弁して)
今後楽天モバイルが成長することにより、楽天全体に恩恵を与えるような存在になれるのか。
はたまた、楽天がお荷物となっているモバイル事業を切り捨てるという未来はあるのか。
今後の展開を注意深く見守りたいところだ。
ということで、今回はここまで。
最後まで読んでくれて、ありがとう!!!