公式HPより拝借
12年もの長きに渡って、月刊アフタヌーンで連載を続けていた市川春子先生の「宝石の国」が、2024年4月25日発売予定の月刊アフタヌーン6月号で完結することが発表された。一時期は休載の理由などで話題になった本作。あれ、そーいえばどうして休載になったんだっけ?
実は俺、「宝石の国」結構好きなんだよね。ってことで、完結記念ということでちょっとだけ記事を作成してみたい。
なお、本作は4月29日まで漫画アプリ『コミックDAYS』にて全話無料キャンペーンが実施されている。再読お勧め。
「宝石の国」とは
あらすじ
遠い未来の世界を舞台に、宝石の体を持つ人型の生物たちが月人との戦いを繰り広げるアクションファンタジー。
古代と呼ばれる過去に、人間が存在したと伝えられる遠い未来の世界。そこでは、海中に没した地上の生物が微小生物に食われて無機物となり、長い年月を経て宝石の体を持つ人型の生物が生まれている。28体の宝石たちは、月から襲来して宝石たちを拐っていく月人との戦いを繰り返しながら、指導者である金剛先生の元で暮らしている。主人公であるフォスフォフィライトは、宝石の中で一番年下であり、硬度が低く脆い体を持っている。彼は不器用ながらも明るく過ごしていたが、ある事件をきっかけ(カタツムリに飲み込まれ…)に成長し、月人との接触を試みる。彼は月人の謎を解明し、仲間たちと共に戦いながら、自身の存在意義を見つけていく。
「宝石の国」の魅力
とにかく登場人物が宝石なんで、最初は名前がとっつきにくいかもしれない。あとこの物語の魅力は、「再生」という概念。主人公であるフォスフォフィライトも何度も何度も破壊されて(頭まで持ち去られている!)、それでもなお「再生」しながら「成長」していく。初めは頼りないレベル1の主人公が「再生」を経て最強レベルに変化していく様子は、なかなかにテンションがあがるところであった。しかしその「成長」の過程で、果たして「彼」を「彼」と呼んでいいのか?などの疑問が生じる。元々の彼であった部分がどんどん失われていく様子が、単行本の裏表紙に描かれている(どんどん減っていく)。恐らくは漫画史上でも類を見ないぐらい「変化」した主人公なのではないだろうか。月人との邂逅、先生の正体、解き明かされていく謎が実に興味深く感じられる。なかなかに鬱な展開も多い漫画だが、ちょっとでもこれを読んで興味を持たれた方は、4月29日まで漫画アプリ『コミックDAYS』にて全話無料キャンペーンが実施されているのでぜひとも読んでいただきたい。
なお本作はアニメ化もされており、第二期のアニメ化を求める声もある。漫画ではなくて、そちらを見てみるのも良いかも。
「宝石の国」の名言はコレだ!!
「低硬度から勇気をとったらなにもない」
これは宝石アンタークの言葉。アンタークはフォスよりもさらに脆い硬度を持つ(簡単に言うと、弱い)。彼は、普段は液体でしかない。気温が下がると結晶化し人型になり、寒ければ寒いほど強くなる特異体質を持つ。アンタークが冬に一人で担っていた仕事は、冬眠中の宝石たちの眠りを妨げる流氷を砕くというとてもハードなもの。
フォスはとても自分は真似できないと言うが…。
フォス「できることしかできないよ」
アンターク「できることしかやらないからだ」
フォス「できることならせいいっぱいやるよ」
アンターク「できることしかできないままだな」
自分の強さをわきまえたうえで、なお折れないアンターク。硬度は脆くても、彼の心はダイヤモンドよりもはるかに硬い。
作者の市川春子先生とは
市川春子。日本の漫画家。千葉県出身。北海道札幌市在住。北海道教育大学美術科卒業、漫画制作の道へ。
子供の頃はコンピュータゲームで遊ぶことが多く、漫画は友人から勧められたものを借りることが多かったらしい。小学生の頃はギャグマンガが好きで、中学生の頃には萩尾望都の作品に感銘を受け、高校生の頃には『風の谷のナウシカ』や『AKIRA』を読んで衝撃を受けた。
大学進学後、北海道に移住し、卒業後はデザイン会社でエディトリアルデザイナーとして働いていたが、ある時、「自分の考えを全部盛り込んだものを、企画・編集・レイアウトと何から何まで自分一人で、力一杯やってみたい」と考え、漫画制作を開始。2006年に『虫と歌』でアフタヌーン四季賞2006年夏の四季大賞を受賞し、月刊アフタヌーン誌(講談社)でデビュー。以降、同誌を主な媒体として作品を発表している。『虫と歌』は彼女が本格的に描いた初めての漫画であり、これが認められなければ漫画家になることを諦めるつもりでいたらしい。
その後、彼女は一貫して読み切りなどの短編をメインに発表し、単行本に収録された。2012年には自身初の長編作品である『宝石の国』の連載を開始し、この作品はテレビアニメ化されて放映された。
自身の作品の装丁も手掛けており、美学的なことは澁澤龍彦の作品から学んだと述べている。また、映画や漫画にも興味を持っており、横山裕一を注目している漫画家として挙げている。
実はこの方、ポケモンの剣と盾でキャラデザもして一時話題になったんだな。こだりのある絵を描く方という印象だった。
で、なんで休載していたの?
公式サイトより拝借
富樫、仕事しろ。おっと間違えた。市川春子、仕事しろ。実は「宝石の国」は2021年3月号から2022年8月号まで休載されていた。ここまで長い休載だと、さすがに理由を尋ねたくもなるものであったが、ネット上で飛び交っていた噂は以下の通り。
・体調不良
・働き方改革
・インスピレーションを働かせるため
・話の展開で、キリのよいところだったから
・ポケモンのデザインなど、他の仕事が忙しかったため
そして一番大きな原因としてまことしやかに噂されていたのが。
PS5が当たったため。
2021年3月号にて「PS5当たりました。やった!」というコメントがあり、その画像がTwitter上に流れてきたため、ファンの間で「作者はPS5でゲームを遊び尽くすために休載しているのでは?」という説が流れるようになった。
いやー、…まさかね(笑)
何にせよ、とりあえず完結までこぎつけて良かった良かった、めでたしめでたし。
「宝石の国」最終話が掲載されているのは、月刊アフタヌーン6月号。2024年4月25日発売!
ということで、「宝石の国」、いよいよ完結である。ぜひとも本屋さんに行って、月刊アフタヌーン6月号を手に取ってみよう。
なお、2024年4月29日をすぎると、漫画アプリ『コミックDAYS』にて全話無料キャンペーンが終ってしまうので注意。それでもちょっと読んでみたいと思う人は、改めて買い直してもよいかもね。
ってことで、今回は以上だ。最後まで読んでくれてありがとう!!
(PR)未読な方はぜひ!!