『イカゲーム』の元ネタとは?タイトルの由来から社会的背景まで
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Netflix史上最大級のヒットとなった『イカゲーム』。シーズン3の配信が6月27日からと決まって実にめでたい!
ところで、なぜこの作品は世界中の人々を魅了したのだろうか?
タイトルにある「イカゲーム」とは実在する遊びなのか、また、登場するデスゲームにはどのような元ネタがあるのか――気になる疑問は尽きない。
この記事では、『イカゲーム』のタイトルの由来や、劇中に登場する遊びの歴史、さらには『カイジ』や『バトル・ロワイアル』との共通点まで詳しく解説。
監督の制作意図や、韓国社会の貧困格差との関連性にも迫ってみよう。
『イカゲーム』がなぜこれほど話題になったのか、その魅力の核心を知りたい方は、ぜひ最後までご覧あれ。
『イカゲーム』の元ネタとは?タイトルの由来と背景
「イカゲーム」は実在する遊び?ルールと歴史を解説
「イカゲーム(오징어게임)」は、韓国で1970〜80年代に流行した実在の子ども遊び。地面にイカの形を描き、攻撃側と防御側に分かれて戦う陣取りゲームだ。
ルール
地面に 円、三角、四角 を組み合わせた「イカ型」のフィールドを描く
攻撃側 はフィールドの外からスタートし、最終的に「イカの頭(円部分)」へ到達できれば勝ち
防御側 は攻撃側の進入を阻止し、イカの外へ押し出せば勝ち
途中から攻撃側は片足で移動しなければならず、バランス感覚が試される
歴史的背景
1970年代の韓国では、路上での遊びが一般的だった。特に 「石けり」「鬼ごっこ」「ロープ遊び」 などと並び、「イカゲーム」も広く親しまれた。ただし、現代ではほぼ廃れた遊びになっている。
なぜ「イカゲーム」がドラマのタイトルになったの?
監督のファン・ドンヒョクは、「イカゲームは他の遊びよりも 最も攻撃的で、身体的な接触が激しい」と語っている。
幼少期に実際に遊んだ経験から、このゲームをシリーズの象徴として選んだという。
また、「イカゲーム」は 戦略・チームワーク・力が必要な遊び であり、ドラマのテーマである「生き残り」「対立」「貧困層の闘争」と結びついている。
そのため、作品の最終ゲームとしても採用された。
ドラマ内のゲームは実在する?韓国の伝統遊びとその元ネタ
「だるまさんがころんだ(ムクゲの花が咲きました)」の由来
韓国では、「だるまさんがころんだ」に相当する遊びが 「무궁화 꽃이 피었습니다(ムクゲの花が咲きました)」 という名前で知られている。
遊び方
「鬼」が壁に向かって「ムクゲの花が咲きました」と発音
その間、他のプレイヤーは鬼に気づかれないように前進
「ムクゲの花が咲きました」の発声が終わると、鬼が振り向く
動いていたプレイヤーはアウト
この遊びは、日本の「だるまさんがころんだ」とほぼ同じルール。
ただし、「ムクゲ(無窮花)」は韓国の国花であり、国民意識と結びつきが強い点が特徴。
「型抜き」や「ビー玉遊び」は実際にあった?韓国の子ども文化
型抜き(ダルゴナ)
韓国では 「ダルゴナ(달고나)」 という砂糖菓子が昔から親しまれており、その表面に刻まれた模様を折らずにくり抜く遊びがあった。
1970〜80年代には屋台で「型抜きゲーム」が流行。成功すると 無料でダルゴナをもう1枚もらえる ルールが一般的だった。
ビー玉遊び
ビー玉遊び(구슬치기)は韓国の伝統的なゲームのひとつ。
日本と同様、地面に描いた円の中から相手のビー玉を弾き出すルールが主流だった。
綱引きやガラス橋…ドラマオリジナル要素との違い
綱引き は実在するが、ドラマのように「落下する」形式ではなく、単純な力比べだった
ガラス橋 は完全なオリジナル要素で、ゲームというよりも「極限状況を演出するための装置」として機能している
『イカゲーム』は他の作品に影響を受けている?
ファン・ドンヒョク監督は、『イカゲーム』の構想を練る過程で、日本のデスゲーム漫画から影響を受けたことを認めている。
具体的には、映画誌『シネ21』のインタビューで、監督は日本のサバイバルストーリーを韓国に移植しようと考え、『賭博黙示録カイジ』や『LIAR GAME』、『バトル・ロワイアル』などの作品からインスピレーションを得たと述べている。
特に日本の『カイジ』『神さまの言うとおり』『バトル・ロワイアル』と比較されることが多い。
それぞれの作品と共通する要素や違いについて整理してみよう。
まず、『カイジ』との関係を考えると、両作品には共通点が多い。
どちらも 借金を抱えた主人公が、命を懸けたゲームに挑む という点で一致している。
また、ゲームを主催する 「VIP」 と呼ばれる富裕層が、庶民の苦しみを娯楽として観賞する構造も類似している。
命がけの挑戦が、権力者たちの娯楽に変えられている点は、両作品の根本的なテーマとも言える。
しかし、『カイジ』と『イカゲーム』には大きな違いもある。
『カイジ』は主に知能戦を中心とした心理戦が展開されるのに対し、『イカゲーム』では 体力や運の要素が大きく関わるゲームが多い。
また、『イカゲーム』は韓国社会に根付く経済格差や貧困問題を直接的に描いており、社会批判の色が濃い点も特徴的だ。
次に、『神さまの言うとおり』との関係を見てみると、特に「だるまゲーム」と『イカゲーム』の「ムクゲの花が咲きました」のシーンが類似している。
どちらも 「動いたら即死」 というルールのもとで展開されるゲームだ。
この類似点から、一部の視聴者は『イカゲーム』が『神さまの言うとおり』の影響を受けたのではないかと指摘している。
さらに、『バトル・ロワイアル』との比較もよく行われるが、作品の根本的なテーマには違いがある。
『バトル・ロワイアル』は 「政府が若者に殺し合いを強制する」 という設定であり、国家権力の圧政を描いている。
一方、『イカゲーム』は 「経済格差による自発的な生存競争」 を描いており、貧困に追い詰められた人々が自らの意思でゲームに参加するという違いがある。
この点で、『イカゲーム』は国家権力ではなく、資本主義社会の闇に焦点を当てた作品と言える。
こうした比較を踏まえると、『イカゲーム』は過去のデスゲーム作品と共通する要素を持ちつつも、韓国の社会問題を色濃く反映させることで独自の作品として成立していることがわかる。
『イカゲーム』と韓国社会の関係―現実にある貧困と格差問題
『イカゲーム』が世界的に注目を集めた理由のひとつに、その物語が韓国社会の厳しい経済格差を反映している点が挙げられる。
本作では、借金を抱えた人々が賞金を得るために命がけのゲームに参加する。
これは単なるフィクションではなく、現実の韓国社会に深く根ざした問題を映し出している。
韓国は「借金大国」とも呼ばれ、2021年時点で 家計負債がGDPの100%を超える という深刻な水準に達していた。
特に、住宅価格の高騰や高額な教育費が庶民の生活を圧迫し、家計負債の増加を招いている。
多くの人々がローンや借金に依存しながら生活しており、返済が滞ればすぐに生活が立ち行かなくなる。
この過酷な競争社会の中で、経済的に追い詰められた人々が最後の手段としてゲームに挑むという設定は、決して非現実的な話ではない。
また、韓国社会の 「財閥 vs 庶民」 という構図も『イカゲーム』の重要なテーマのひとつだ。
韓国では、サムスンやLGなどの財閥企業が国の経済を牛耳る一方で、中小企業や労働者層は低賃金や不安定な雇用に苦しんでいる。
この極端な格差社会の象徴として登場するのが、ゲームを裏で操る 「VIP」 の存在だ。
彼らは庶民の命を弄び、金にものを言わせて殺し合いを娯楽として楽しんでいる。
これは、現実世界での 「富裕層による貧困層の支配構造」 を暗示していると考えられる。
さらに、『イカゲーム』が描くのは単なる経済的格差だけではなく、それに伴う社会の残酷な側面でもある。
参加者たちは借金返済のためにゲームに挑むが、その実態は 「見世物としてのサバイバル」 だ。
彼らの苦しみや絶望は、VIPや視聴者の娯楽として消費されていく。
この構造は、韓国社会だけでなく、世界的な「貧困層の搾取」という問題を浮き彫りにしている。
現代においても、低賃金労働者が富裕層のために過酷な環境で働かされ、少ない報酬で生き延びようとする構図がある。
それが、ゲームという極端な形で表現されているのが『イカゲーム』なのだ。
このように、『イカゲーム』は単なるサバイバルゲームではなく、韓国社会における 経済格差・財閥支配・貧困層の搾取 という現実を映し出した作品である。
ドラマを通じて、この問題に対する批判的な視点を提供していることが、世界中の視聴者の共感を呼んだ大きな理由のひとつだろう。
監督ファン・ドンヒョクの制作秘話
『イカゲーム』はいつ構想された?制作の裏側
『イカゲーム』の脚本は 2008年〜2009年に初めて執筆 された。
当時の韓国はリーマン・ショック後の経済危機に直面しており、 失業率の上昇や社会の格差拡大 が問題になっていた。
監督自身も 経済的に苦しい状況 にあり、「もし自分がこんなゲームに参加したら?」という発想から生まれたという。
しかし、当時の韓国では「残酷すぎる」「非現実的」とされ、 10年以上も企画が通らなかった。
Netflixがグローバル市場向けの作品を求めたことで、ようやく制作が実現した。
なぜNetflixで世界的ヒットしたのか?成功の要因
『イカゲーム』は2021年9月17日にNetflixで配信され、 全世界94か国で視聴ランキング1位を獲得。
これほどの成功を収めた理由には、以下の点が挙げられる。
- シンプルなゲームルール
- 言葉の壁を越えて誰でも理解できる伝統遊びを採用
- 「だるまさんがころんだ」など、世界中の人が知るゲームが登場
- 経済格差のリアルな描写
- 韓国だけでなく、世界的な貧富の差の問題を反映
- 視聴者が「自分だったらどうする?」と感情移入しやすい
- Netflixのグローバル戦略
- 190か国以上で同時配信
- SNSやミーム(型抜きゲームの挑戦など)が話題となり拡散
『イカゲーム』が好きなら観るべき類似作品7選
『アリス・イン・ボーダーランド』―日本発のデスゲームドラマ
Netflixオリジナルの日本作品。 現実世界から突然消えた主人公たちが、生き残るためのゲームに挑む。『イカゲーム』と同じく 「極限状況」「心理戦」「デスゲーム」 の要素が強い。
『LIAR GAME』―心理戦が熱い知能型ゲーム作品
賞金をかけた 騙し合いのゲーム に巻き込まれる物語。 頭脳戦がメイン であり、『イカゲーム』よりも心理的な駆け引きに重点が置かれている。
『今際の国のアリス』―Netflixで人気のデスゲーム系作品
日本のサバイバル系作品で、『アリス・イン・ボーダーランド』と同じ原作者(麻生羽呂)。ゲームごとに異なるルール が設定され、知能戦や運の要素も絡む点が特徴。
『賭博黙示録カイジ』―ギャンブルと極限心理戦の元祖
- 巨額の借金を抱えた主人公が、生死をかけたギャンブルに挑戦
- 『イカゲーム』と同じく 「一攫千金」「社会の底辺」「富裕層の娯楽」 というテーマが共通
『バトル・ロワイアル』―「生き残りをかけたゲーム」の原点
- 国家によって選ばれた中学生たちが、最後の1人になるまで戦わされる
- 『イカゲーム』と同じく「人間の極限状態」を描いている
『ザ・ハント』―上流階級vs庶民の狩りゲーム
- 2020年公開の映画
- 富裕層が貧困層を狩る という設定で、『イカゲーム』のVIPのような存在が登場
『CUBE』―脱出不能の密室で繰り広げられるサバイバル
- 1997年のカナダ映画で、密室に閉じ込められた人々が トラップを回避しながら脱出を試みる
- 極限状態の心理描写が『イカゲーム』と共通
まとめ
『イカゲーム』は、韓国の伝統遊び「イカゲーム」をベースにしながら、日本のデスゲーム作品にも通じる要素を持つ作品だった。
- タイトルの由来 は、実際に韓国で遊ばれていた「イカゲーム」から取られ、戦略と生存競争を象徴するものとして採用された。
- 劇中のゲーム は、「ムクゲの花が咲きました」や「型抜き」など実在する遊びを取り入れつつ、ガラス橋のような完全オリジナルの仕掛けも加わっていた。
- 過去作品との関係 では、『カイジ』の借金地獄や『バトル・ロワイアル』の極限状況と共通する点がある一方、韓国の経済格差をよりストレートに描いたのが特徴的。
- 社会的な背景 としては、韓国の深刻な貧富の差や財閥支配が反映されていて、VIPたちの存在は富裕層による支配を象徴していた。
ただのデスゲームものにとどまらず、現実の社会問題を鋭く風刺したのが『イカゲーム』の大きな魅力。
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