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マリモが浮く理由って?「死んでいないよ」あなたに伝えたい自然の仕組み

なぜ、マリモは浮かぶのか?阿寒湖の神秘に潜む“生きた証”

まりもが浮く理由って?「死んでいないよ」あなたに伝えたい自然の仕組み

観光地で見たマリモが浮いていた。あるいは、沈んでいた。

 

それを目にしたあなたは、ちょっとした違和感とともに、こう思ったはずだ──「これ、死んでるんじゃないか?」と。

 

安心してくれ。俺も最初そう思った。

 

だが調べていくうちに、この“浮く・沈む”という現象こそが、マリモが「生きている証」であり、自然が与えた完璧なシグナルだとわかってきた。

 

光合成、気泡、水温、そして阿寒湖の環境。

 

そのすべてが、マリモを静かに、だが確かに動かしていた――。

 

この記事では、マリモが浮く本当の理由と、そこに隠された自然のロジックを、冷静に、そしてちょっと情熱的に語っていく。

 

そもそもマリモはなぜ浮くのか?阿寒湖のマリモに見られる自然現象とは

浮いたり沈んだりするのは異常?それとも正常?

まず断言しておく。

 

マリモが浮いたり沈んだりするのは異常でもなんでもない。正常だ。

 

阿寒湖の天然マリモに関して、環境省や北海道の解説資料でも「浮上現象」は確認されており、むしろ健康な証拠とされることもある。

 

現象としてはこうだ:

  • 朝になるとマリモが水面に浮かぶ
  • 夕方〜夜にかけて沈む
  • 一部は昼間でも浮いたままのこともある

つまり、生きているマリモにとっては「よくあること」

 

沈みっぱなしでも病気とは限らないが、「浮いたまま戻らない」「変色している」場合は要注意だ。

 

光合成と気泡の関係は?水中の酸素が影響するって本当?

この部分、誤解してる人が多い。だから理屈で整理しよう。

  • マリモは植物。つまり光合成をする
  • 光合成では酸素(O₂)を発生させる
  • 発生した酸素が葉の表面に微細な気泡として溜まる
  • その気泡が浮力となって、水面に浮かぶ

要するに、「浮く」のは内部にたまった酸素気泡によるもの

 

これは『阿寒湖マリモ展示観察センター』でも解説されており、ちゃんとした根拠がある。

 

また、光合成の量=浮くかどうか、ではない。部屋の照明程度の光では光合成量が少なく、気泡は発生しにくい。だから「室内では浮かないのに外に出したら浮いた」なんて現象も起きる。

 

 阿寒湖の水温や日照条件はマリモの浮き沈みにどう関係している?

ここが重要なポイントだ。

 

阿寒湖の水温は、夏でも表層で約15〜18℃。

 

水深や日照条件によって差があり、特に朝と昼での水温差・光量差が浮き沈みに影響する。

  • 朝:水温が低く光量も少ない → 沈んでいる
  • 昼:日差しが強くなり光合成活発 → 浮かぶ
  • 夕方以降:気泡が抜けて再び沈む

なお、阿寒湖のように透明度が高く・水温が安定しにくい湖では、日照による反応が極端に表れる。

 

このあたり、人工環境での飼育と一線を画すので注意して見ておくべきだ。

 

 

家庭で育てるマリモが浮いてしまったのはなぜ?異常のサインなのか?

自宅でマリモを飼うとき、浮く・沈むのはどんなとき?

これは経験者なら「ああ」となるはず。

  • 昼間、日差しが差し込んだら浮いた
  • エアコンの風が当たってる側だけ浮いた
  • 急に全部沈んで動かなくなった

こういう現象は、日光・気温・水換え直後の酸素量などがトリガーになっている。

 

逆に、ずっと浮いたまま動かないとか、色が変わってるのに浮いてるとなると話は別。

 

浮いてる=健康という単純な話ではない。「沈んでると不健康」という誤解もある。

 

 

水質・温度・容器の形がマリモに与える影響とは?

ここ、意外と見落とされがちだが超重要。

  • 容器の底が狭いと沈みにくくなる
  • 水温が高すぎる(25℃以上)とダメージ
  • 塩素入りの水道水をそのまま使うとアウト

阿寒湖のような自然環境と違って、家庭内では温度や水質の変動が激しい。

 

特に夏場、ガラス瓶の直射日光なんか浴びせていたら、文字通り「ゆでマリモ」になる。

 

浮いていたらラッキー、ではなく、その理由を冷静に観察できるかが重要だ。

 

観光地で見たマリモが沈んでいたのはなぜ?阿寒湖の展示施設では浮かないのか?

阿寒湖のマリモ展示では時間帯で浮き沈みが見られる?

はい、見られます。が、「いつでも見られるわけではない」

 

阿寒湖チュウルイ島の展示施設やマリモ観察センターでも、午前中は沈んでることが多い

 

理由はさっき述べたとおり、日照の影響で気泡がたまっていないから

 

13時以降になると浮かぶ個体も出てくる。観光客が「思ったより地味」と感じるのは、午前中に来て、全部沈んでる水槽を見たから…というのが定番。

 

天候や季節によってマリモの動きは変わるのか?

これはハッキリ言える。影響する。

  • 曇天・雨天:光合成が鈍化 → 気泡が少ない
  • 冬季:低温&氷結でほぼ活動停止 → 基本沈む

特に11月〜4月の阿寒湖は結氷するため、マリモの活動は事実上停止状態。この季節に観光して、「なんだ、マリモ動かないじゃん」と思うのは早計。

 

季節性を理解してから見に行くのが、大人の鑑賞マナーだ。

 

マリモが浮いているのに全く動かないのはなぜ?死んでしまった可能性はある?

動かない=死んでる?マリモの健康状態の見分け方は?

まず前提として、マリモは自ら移動しない

 

水流や気泡の移動で動いているように見えるだけだ。

 

だから、「浮いているのに動かない」こと自体は異常ではない。

 

問題はその色・質感・においなど。

  • 緑が褪せている
  • ネバつきや異臭がある
  • 水中でボロボロに崩れる

こうなっていたら要注意。腐敗の兆候かもしれない。

 

動かないのではなく、動けない状態になっている可能性がある。

 

人工マリモ(フェイク)は浮かないって本当?見分けるポイントとは?

これはよくある話だが、人工マリモが浮くことはまずない。理由は単純:

  • 中に空洞がない(気泡が溜まらない)
  • プラスチック繊維などで構成されている

本物のマリモは、糸状の緑藻が球状に成長している。人工マリモは「フェルト状」に作られた模造品が多い。

 

見分け方は以下のとおり:

  • 濡らして揉んだときに藻のような匂いがあるか
  • 表面が不自然にツルツル・均一すぎないか
  • パッケージに「観賞用」「フェイク」などの記載がないか

観光土産で買ってきたものが「浮かない」からといって騒ぐ前に、まず本物かどうか確認すべきだな。

 

まとめ

  • マリモが浮くのは、光合成で発生した酸素の気泡が原因
  • 浮いたり沈んだりするのは、健康なマリモによくある自然な現象
  • 阿寒湖では日照や水温によって浮き沈みが起こるタイミングが変わる
  • 家庭で飼っている場合も、容器や水質・温度管理によって反応は異なる
  • 浮いて動かないマリモ=死ではないが、色や匂いの変化には注意

…浮いてるか沈んでるか、それだけで一喜一憂するのは早計だ。

 

マリモはもっと奥が深い。観察するほどに「生き物」だと実感する――それが最大の魅力だと、俺は思う。

 

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