なぜ、すき家の屋根に時計があるのか?
夜の国道を走っていて、ふと視界に飛び込む丸い時計──それが「すき家」だったと気づく人は多いはずだ。
だが、考えたことはあるか?
なぜ牛丼屋に“時計台”なんて大げさなものが必要なのかを。これは単なる飾りじゃない。
発祥の地・横浜の記憶を背負い、24時間営業(もう24時間でなくなったけど)を無言で告げ、全国に同じ顔を見せるために作られた「ブランドの装置」なんだ。
俺がこの不可思議な時計台に潜む企みを、全部暴いてやる。
すき家の時計台は「横浜開港記念会館ジャックの塔」がモデルって本当?
あの妙に存在感のある丸い時計、なんで付けたのか──と思ったことはないか?
実はあれ、「横浜開港記念会館」、通称ジャックの塔がモデルなんだ。
すき家の発祥地・横浜のランドマークをモチーフにしてるってわけ。
もっと言えば、横浜ってのは日本で牛肉文化が根付いた“最初の港町”。
すき家が牛丼チェーンの看板背負ってる理由を、無言で主張してるアイコンでもあるんだよ。
赤レンガ倉庫モチーフはどこに取り入れられている?
赤レンガ倉庫っぽいレンガ調の外壁、見たことあるだろ?
それだけじゃない。
店内の壁、丼ぶりの底にある“YOKOHAMA”ロゴ──細かいところで一貫して「横浜由来」ってことを刷り込んでくる。
完全に計算ずく。
全国どこでも展開してるのに、発祥地の個性を忘れてませんって顔をしてくるあたり、なかなか芸が細かい。
時計台デザインはいつ誕生?導入時期とゼンショーHDの狙いは?
2013年。この年にセイコータイムクリエーションが納入したって情報が出てる。
つまり、“全店舗に時計を付けろ”って号令が出たのがこの年ってこと。
ゼンショー側の意図は明確で、外観統一によるブランド認知。
道を走ってても、「あ、あれすき家じゃね?」って一発で気づかせる、そんな視覚マーケティング戦略だな。
初年度はいくつの店舗に設置された?
IR情報によれば、2013年のすき家は約1,900店舗。
つまり、そのほとんどに“初年度一括導入”されたと見て間違いない。
例外はビルインとか駅ナカとか、設置できない構造の店舗くらい。金も手間もかけた大規模なリブランディングだったわけよ。
時計台で集客効果はどれだけ?視認性とランドマーク機能を数字で検証できる?
ゼンショー自身は効果数値を出してない。
でも『コロナ危機を生き残る飲食店の秘密』って本の中に、「時計は看板より視認性が約1.4倍高い」ってデータがある。
しかも人間って“時計を無意識に見る習性”がある。
つまり、すき家の時計台は「見るために作られてる」のではなく、「見てしまうもの」に仕立てられてる。やられたな。
なぜ時計台が無い店舗がある?ビルイン・都市型店舗での非設置理由とは?
どこにでも付いてるわけじゃない。
駅前の雑居ビルに入ってる店舗とか、地下街とか、構造的に外壁がない場合は当然付けられない。
時計台は“独立棟”の証ってわけ。
つまり、時計があるかないかで「この店舗、ガチすき家か?」って判別できる。ちょっとしたバロメーターだ。
全国設置率は何%?地域差は?
セイコーの納入事例では「全国各地に設置された」とある。
要するに、設置できる構造ならほぼ100%設置してる。地域差というより、土地の事情で“付けられる・付けられない”の違いだな。
時計の製造元はセイコーSTS?メンテナンス体制と設置コストはいくら?
製造元はセイコータイムクリエーション。元セイコーSTS。型番まで出てる。
LED内照式で、直径900mmというゴツいサイズ。
全国展開だけあって、メンテもセイコーが面倒見てる。
コストは非公開だけど、市場価格で1基40〜60万円。それを約1,900基。試算するとざっくり8〜11億円。ファストフードチェーンとは思えん規模の設備投資だ。
24時間営業アピール…だったけど…
夜道で光る時計──これ、ただの演出じゃない。「あ、ここ今も開いてる」とドライバーに伝えるサインでもある。すき家って基本24時間営業だっただろ?“常に営業中であること”を伝える装置が必要だったわけだ。
その役を果たしてるのが、このLEDクロックってわけ。要するに「道に出す電光掲示板」だ。
まー、今は色々🐀あって、完全な24時間営業ではなくなったわけだが。
銀座和光や札幌時計台と比べて、すき家時計台は何が独自なのか?
銀座の和光、札幌の時計台──どっちもランドマーク。で、すき家はそれを“全国にばら撒いた”わけだ。
各地に点在する「ローカル和光」。これ、けっこう斬新。時計=ランドマークって前提を持ち出して、それを量産しちゃった。これこそが“すき家式ブランディング”。
時計台・赤レンガ調外壁・ロゴはどうデザイン統一され、ブランドイメージを高めている?
横浜のジャックの塔、赤レンガ倉庫、丼ぶりの底の“YOKOHAMA”。
全部が一貫して「俺たちは横浜生まれだぞ」と語ってる。しかも、それを視覚で。
横浜の風を日本全国に散布して、「どこにいても、俺たちはそこにいる」っていうブランド展開。
やってることはファストフードだけど、やり方は美術館クラスだわ。
まとめ
- すき家の時計台は、横浜開港記念会館“ジャックの塔”がルーツ。
- 赤レンガ倉庫を彷彿とさせる外装や丼ぶりのロゴも「横浜」づくし。
- 2013年に全国一斉導入。街道沿いで“すき家だ”と即認識させる狙い。
- セイコー製の直径900mmクロックは、道行くドライバーの視線を奪う。
- 単なる装飾じゃない。無言のブランディングだ。
牛丼一杯の背後に、ここまでの意図とコストを仕込むとは…正直、やりすぎだ。でも、だから目立つ。それがゼンショーのやり方だ。
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