3月1日。
以下のメールが届いた。
楽天経済圏の一角がまたもや崩れる事態となったのである。
つい先日、ゴールドカードのSPU(スーパーポイントアッププログラム)が改悪されたばかりで、今度は楽天でんき改悪。
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参考楽天ゴールドカード改悪。個人的には極悪。対処法を考えてみる。
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背景にあるのは、やはり楽天モバイルの赤字問題ではないだろうか?
楽天モバイル大赤字
楽天は2月12日に、2020年度通期決算を公表した。
1141億円の最終赤字。
原因のひとつが楽天モバイルの存在である。
楽天モバイルは本当にすごい。
何がすごいって、その価格設定の思い切りの良さである。
しかし、消費者にとってコストパフォーマンスが良いというのは、必ずしも企業にとってのそれとイコールではない。
むしろ消費者が得している分、企業は(少なくとも、その事業は)損をしていることになる。
楽天モバイル事業だけを取り上げてみれば、2020年第4四半期では451億円の売り上げに対し、725億円の営業損失を計上している。
大赤字も良いところである。
しかし、この赤字は楽天グループ全体で見たときに、「投資」と見ることもできるものだ。
楽天は自社のサービスを使えば、その分楽天ポイントが多くもらえるシステムを採用している(SPU…スーパーポイントアッププラグラム)。
楽天モバイルを入口として、これらSPU目当てに楽天の様々なサービスを利用してくれるようになれば、グループ全体としてはより大きな利益を得る結果になる。
実際に、2020年5月に楽天モバイル新規加入者の「楽天市場での利用額」を加入前後で比較すると44%も増えている。
言ってみれば、楽天モバイルは楽天経済圏(生活の大部分で楽天サービスを利用している人々の住まう世界)への誘いなのである。
SPU再編か?あるいは、思った以上に楽天モバイルの負担が重いのか?
楽天でんきがSPUに寄与する値は、わずか+0.5倍である。
これは楽天ゴールドカードの+4倍→+2倍のときほどに大きな衝撃を与えるものではない。
しかし、楽天ゴールドカード改悪から短期間で楽天でんきが改悪された、この一連の流れがなんとも嫌な空気である。
思った以上に楽天モバイルの負担が重たいのか。
そもそもが、楽天経済圏は消費者にとって、大変にお得なサービスだった。
俺自身コロナが流行る前は、楽天ポイントを利用して、楽天トラベルで旅行を楽しんでいたもんだ。
GOTOキャンペーンも利用した際に、楽天ポイントの使用で、和歌山県のホテルが2泊3日で100円になったときはさすがに笑った。
(旅行自体は感染状況を考えて取りやめた)
その負担は楽天のサイフから出ていたわけである。
無論、楽天にとってもデメリットばかりではない話だが、今回のこの一連の改悪、この流れ。
楽天に余裕がなくなってきている、ということの表れなのだろうか?
楽天モバイルのシェア増加が意味するもの
楽天モバイルが、「Rakuten UN-LIMIT VI」の1年月額基本料金無料キャンペーンを4月7日で終了することを発表した。
これは元々300万人限定なわけだから、その数に達して締め切られたということだ。
楽天モバイルは、契約者を大きく増やすことに成功した。
携帯電話の契約数は2020年9月末の時点で、1億8,917万件(総務省調べ)。
3大キャリアのシェアは、うち86%にもなる。
- NTTドコモ:36.9%(MVNOへの提供を含めると42.5%)前年同期比0.7ポイント減
- KDDI:27.6%(MVNOへの提供を含めると31.4%)前年同期比0.1ポイント減
- ソフトバンク:21.5%(MVNOへの提供を含めると25.5%)前年同期比0.6ポイント減
- 楽天モバイル:0.6% 前期比0.3ポイント増
- MVNO:13.4% 前年同期比0.9ポイント増
この割合はで注目すべきは、現時点でシェアを減らしつつあるのが3大キャリア。シェアを増やしつつあるのが楽天と格安SIMであるという事実だ。
着実に楽天モバイルは成長している。
ところが、これがプラスの面に取れるかというと、現時点ではNOだ。
加入者数の増加は、傷口を広げているのと同意だ。
楽天は今後、モバイル事業でもどこかで収支の見直しをしなければいけなくなる。
言ってみれば、そう遠くない将来に改悪される可能性があるということだ。
3大キャリアにあって、楽天モバイルにないもの
料金プランに焦点を絞って、話をしたい。
3大キャリアになって、楽天にはないものがある。
それが大規模容量のプレミアムプランである。
下記を参照していただけるとわかるが、3大キャリアは膨大な量のデータ通信を行う際の高額プランを用意している。
- au 「使い放題MAX 4G/5G」
- docomo 5Gギガホプレミア
- ソフトバンク メリハリ無制限
これらはかなり高額のサービスであり、大容量通信を行うユーザー向けのサービスである。
対して楽天は、以下の通り。
どんなに使っても、2,980円である。
楽天モバイルの改悪があるならば、それは20GB以上のプラン
楽天モバイルが将来的に改悪する可能性があるならば、それは恐らく20GB以上使用した際のプランの増設ではないか。
あるいは、1GB以内無料。
ここも、改悪される可能性がある。
まだまだ先の話である(と願いたい)ので、なんとも言えないし、この予測が正しいかはわからないが、楽天ユーザーは今回の楽天ゴールドカード、楽天でんきの改悪を元に考える必要がある。
楽天という会社は大変便利なサービスを提供してくれる一方で、当然ながら企業である以上利益をあげねばならない。
今回のような事態が、楽天のどのサービスで起こってもおかしくないのである。
未来永劫楽天経済圏に住み続けるというのは、なかなか難しいことなのかもしれない。
今後も常に情報を追いつつ、自分にとってより良いサービスを取捨選択していくように心がけよう。
この記事は、楽天経済圏の端っこを歩み俺自身への自戒でもある。
以上だ。読んでくれてありがとう!!