スマホってすごく便利だ。
外にいながら様々な情報を得たり、動画を見たりして楽しむことができる。
技術の進歩は止まるところを知らない。
5Gなんてものまでできてしまった。
超高速、超低遅延、多数同時接続。
これがIoT、自動運転、8K動画の活用、VR/ARを使った様々なサービスなどに生かされるようになると、それは決して通信業界だけの話ではなく、様々な業界に恩恵を与えることになる。
そうして起きた各業界のパラダイムシフトは、間違いなく経済的にプラスの効果をもたらす。
簡単にいえば、俺たちの生活はもっともっと豊かになるわけだ。
ところが、その5Gやスマホの使用そのものに対して、現在様々な方面から警鐘が鳴らされている。
5Gやらスマホは人体にとって「悪」になりうるのだろうか。
結論から言わせてもらうと、全ては使いようなんだと思う。
目次
5Gは人体にとって有害である?
5Gが放つ電磁波は、人体にとって有害である。
これは、「5Gの電磁波は人間の生殖機能、脳、心臓機能に影響を与え、最終的にDNAにも作用を及ぼす」という考え方である。
こういった声が、5Gの技術が広まるにつれて大きくなっている。
それどころか、コロナウイルスの広まりと5Gとを関連させる「5G陰謀論」などというものも現れるようになった。
結果、携帯電話の基地局が襲撃される事件まで起きたらしい。
以下、参考
コロナと5G 世界を壊す新型ウイルスと次世代通信 [ 船瀬 俊介 ]
なぜ5Gになって、健康被害が問題になったのか
なぜ4Gではなく、5Gになってから健康被害が話題になるようになった。
原因は、5Gの性質にある。
ご存知の通り、5Gは高周波である。
高周波は障害物などに弱く、遠くまで電波が飛ばない(代わりに速度がとてつもなく速い)
sub6ではなく、ミリ波のほうがこの傾向が顕著だ。
電波が遠くまで届かないと、5Gの基地局をそこら中に作って、リレー形式で電波を行きわたらせないといけなくなる。
基地局の数が、4Gとは比べ物にならないぐらいに増えるのだ。
結果、そこから発せられる電磁波もそれに比例して多くなる。
それだけの電磁波を浴びることが、人体にとって無害であろうはずがない。
5Gに対する不安は、広まっていく。
医者のなかには、研究データを公開して「発がん性」などの危険性を訴えるものも出てくる。
世界では、これに対してはっきりとした対応をとる国も出てきた。
例えば、ベルギーでは5Gの導入を禁止とした。スイスに関しては、導入を延期。今のところ見合わせている状態だ。
日本政府とWHOの見解
これらの動きに対して、日本政府(総務省)から発表された見解は以下の通り。
「日常浴びる電波は健康に悪影響を及ぼさない」
WHOも同等の見解を発表している。
「発がん性に関しての影響は限定的であり、発がん性があると断定はできない」
ここでいう限定的というのは、1日に極端な時間、電磁波を浴び続けなければ、という意味合いだ。
通話ならば1日に15時間以上延々と話をし続ける。これを連日。ずっと。
普通に考えたら、あり得ない使用法であり、そうでなければ健康に関する被害は考えられないとしている。
それでも健康被害があるんだ!って思われた方は、1日15時間続けて健康に被害が出ないものって何?って考えてみよう。
健康体操だって、15時間もやれば不健康だ。そういうことなんだと思う。
ベストセラーになっている「スマホ脳」
俺たちが作り上げたものが、俺たちに牙をむく時代
最近、「スマホ脳」なる本がヒットしているらしい。
俺も、携帯・スマホ関連の記事をあげている以上、ちょっくら買って読んでみた。
著者アンデシュ・ハンセン氏はスウェーデンの精神科医。
前作「一流の頭脳」も、世界的なベストラセラーとなっている。
彼は「スマホ脳」のなかで、現代の俺たちの生活の至る所で活用されているスマホの危険性について述べている。
「私たちは、あのたくさんの点の連なりの最後のたった数千年でーいや、数百年かもしれないー周囲の環境を著しく変化させたのだ。数千年というと永遠のように聞こえるかもしれないが、進化の見地から見れば一瞬のようなものだ。その結果、私たちは今とは異なった環境に適応するように進化してしまい、今生きている時代には合っていない」(本文より抜粋)
簡単に言えば、今人類を取り巻いている環境は、人類に合ったものではないと彼は説いているのだ。
例えば、現代社会の大きな問題に「肥満」があるが、これは食べ物が必ずしも手に入るとは限らなかった時代の影響である。
次はいつ食べ物が手に入るかわからないので、食べられる時に大量に食べるよう「過食」が本能に刻まれているのだ。
ところが現代のように食べ物がそこら中にある環境になると、それは今度は明らかにマイナスの効果を及ぼすようになる。
「肥満」は万病のもととなる。しかし、本能に刻まれているので、「食べようとする欲求」を抑えることはなかなか難しい。
著者のいう、「今の時代に合っていない」というのがこれだ。
俺たちがつくりあげたもの、進化と思っていたのものは、実は俺たち人類の進化に合っていない代物だったのだ。
人間の本能に訴えかけるスマホ
その進化のなかで、人類の本能に滅茶苦茶訴えかけてくるものがある。
それがスマホなんだと著者は言う。
例えば、誰もが当然のように使用しているSNSは、人間の報酬系システム、ドーパミンに作用するような作りになっている。
ドーパミンは人が行動する源であり、生存に必要なものを得るための行動をする際に脳内に放出される物質である。
こうしたら楽しいだろうな、とか、あれを食べたいな、とか、ワクワクするのは全部このドーパミンの働きによるものだ。
このドーパミンは「不確定な期待」に対しても放出される。
「不確定な期待」とは、必ずしも思い通りにならない不確定な状況に楽しみを見出すことだ。
たまにしか実らない木の実とか、そんなものを探し求める行為が生存に必要だったからだろう。
たまにしか当たらない。当たるかどうかわからない。当たると嬉しい。
そう、これがギャンブルの際にドーパミンが出る仕組みであり、ギャンブル依存症はそのドーパミンの放出をうまくコントロールできなくなった結果である。
そして、SNSではこれが「いいね!」やリツイートに当たる。
自分の投稿が「いいね!」をもらえているかどうか頻繁に確認してしまうようならば、それはすでにスマホに脳をコントロールされ始めている兆候だ。
そこまでいかなくても、スマホが視界に入るだけで無意識のうちに集中力が途切れがちになると、やはりスマホの影響を受けた「スマホ脳」になってしまっていると考えられる。
他にも、ブルーライトによる睡眠の妨害や、上の文章に見られるような集中力の低下、IQの低下などスマホは様々な点で人体に被害を与えると、著者は最新のデータを示しながら、スマホの危険性について言及していく。
つい最近でも、スマホのスクリーンを見る子供は過食になる傾向があるなど、著者の研究を後押しする研究が次々に発表されている。
反論するキャリア勢
これに対して、スマホを普及している側のキャリアからは「確たる証拠がない」「スマホだけが原因とは言えない」などの反論が出ている。
ドコモも上記と同じような反論を出していたな。
「スマホに限らず、使用方法によって学力やコミュニケーション能力は逆に向上することもあり得るのでは」(ドコモ)
使いようによっては、学習の手助けになるのではないか、という意見も出されている。
コロナ下でのリモート授業なんかがその良い例ではないか。
全ては使いよう
最初にも言ったが、全ては使いようなんだと思う。
それはスマホに限った話じゃない。
途中でもちょっとふれたけど、1日ずっと同じことをやっていたら、それがなんであれ健康に良くないのは当然だ。
さらにSNSなども、「いいね!」だけを目当てに投稿する人ばかりじゃない。
また、たとえ「いいね!」目当てでも、ちゃんと時間の管理をしたうえで適切にスマホを扱っていれば、決して「スマホ脳」になんてならない。
これは俺自身の経験からも言えることなんだが、SNSの魅力は確かにすごい。
俺は、Twitterなんかでは1件投稿すると300ぐらいの「いいね!」、20以上のリツイートをもらえる別垢を持っていて、一時期は夢中になってはまりはしたが、なんだかむなしくなったので止めてしまった。
夢中になっているときは、確かに「こだわり」のような形で、操られている感はあったように思う。
ってことで、スマホのスクリーンを見るのはほどほどにしよう。
適切な使い方をすれば、人間はスマホになんか支配されない。
「スマホ脳」の最後にも、著者によってスマホの適切な使い方が示されている。
この話は、特に子供たちに聞いてほしいと思う
この間の某有名Youtuberの鬼畜な所業(未成年に裸の写真を送らせた)みたいなケース同様、まだ無邪気な子供たちは自制がきかない(しばしば、大人もだけど)
だからこそ、それを買い与える大人が、こういったケースもありうるのだと説明したうえで、適切な使い方を約束しないといけないと思う。
そーいえば、俺も子供のころ親に言われたな。
「ゲームは1日1時間」
スマホの使用に関しても、この一言に尽きるのではないか。
ということで、少々長くなったが、悪いのはスマホではなくて、ただ使い方が間違っているだけだ、という結論で、この話は締めたいと思う。
最後まで読んでくれてありがとう!!